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第3回JCAキャッシュレス研究会を開催しました

2019年11月14日
News

 10月30日(水)に,第3回JCAキャッシュレス研究会を実施しました.
まず当協会代表理事の川野からご挨拶を申し上げ,最新のキャッシュレス事情として2件紹介しました.

 第1は,アイスランドのMoneriumがブロックチェーンで管理する電子マネー「Monerium e-Money」のライセンスをアイスランド金融庁から取得し,その後IKEAとの取引での実証実験が成功したというトピックです.ブロックチェーンでの管理というと仮想通貨を思い浮かべますが,「Monerium e-Money」はEUの電子マネー規則に則って作られており,今後は電子マネーでもブロックチェーンが活用される事例が増えるものと思われます.

 第2は,スペインのサンタンデール銀行がVottunと協力してマドリード市内の交通料金システムを構築するというトピックです.データ管理はブロックチェーンベースで行い,バス,地下鉄,タクシー,レンタカー,レンタサイクルなどの料金が1つのアプリで支払えるようになる見込みです.


 ゲスト講師に(株)セコマ 丸谷智保代表取締役社長をお招きし「地域密着によるコーポレードブランド価値の向上」という講演をしていただきました.セコマ(旧セイコーマート)は,北海道でシェア店舗数第1位のコンビニチェーンの運営だけでなく,農産物の生産や食品製造,物流までをトータルで運営しており,地産地消を積極的に進めています.HOT CHEFという店内で調理する温かい食べ物も人気の一つです.北海道は非常に広い一方で人口密度が小さく,物流の効率化が大きな課題となります.北海道内に12カ所の配送センターを持ち,すべての市町村に配送できる仕組みを構築しています.

 セコマでは2018年10月よりキャッシュレスで支払えるPecomaを導入しており,現金も含めた全決済の約10%でPecomaが利用されています.Pecomaでの支払いは現金に比べて1件当たり45秒のレジ作業時間削減につながっているそうです.

 セコマでは災害対策も進めています.2018年9月の北海道胆振東部地震では,北海道内1100店舗中,1050店舗が営業を続けました.その背景には,自動車のシガーソケットから電力を供給できる災害キットを常備していたことがあります.災害キットは2004年の台風被害を教訓に準備したもので,レジへの電力供給などに使われました.停電があったものの,レジを動かすことができ,ガスを使った調理で温かい食べ物を提供することもできました.配送センターは非常用発電機で照明を点灯して作業できるようにし,トラックの燃料は備蓄から補いました.一部の店舗ではキャッシュレス決済も可能でした.今後は更なる災害対策として,モバイルルーターの導入,非常用キットの拡充を進めていくそうです.

 キャッシュレスは災害に弱いといわれていますが,災害への備えがあれば現金よりもキャッシュレスの方が安全に決済することができます.また,そもそも商品がなければ買うことができません.物流網の確保も含めた幅広い対策と重要性を学ぶことができました.

※ 講演の資料はこちら(無断転載はご遠慮願います)。